1945年、君を迎えに行く。





「これが東京の水族館だよ。その近くにあるカフェのカレーがすごく美味しくて。…そうそう、これ」



あまり多くはないアルバムに入っている写真をスクロールして、適当に思い出したものを選んで見せる。

覗き込む鳥海はどの写真だったとしても夢中になっていた。



「こんな世界が…本当にあるんだな。いいな…」


「…行きたい?」


「…俺には…絵本の世界を見ているようだ」



アルバムは閉じて、もう1度カメラモード。

レンズを鳥海に向けた私は、躊躇わずピッと記録する。



「なにをしたんだ?」


「ほら、なんか喋って。これ動画なの。今もずっと撮れてるよ」



しばらく沈黙したあと、察したように驚きを見せてから、改まる。


背筋を伸ばして、軍服のシワを伸ばしたりなんかして、襟まで整えて。

怪我をしている姿を恥ずかしそうにもして、それ以上、ひたむきに。



「鳥海 隼人。出身は長野で、パイロットの将校をしている父と料理上手な母の元に生まれました」



ひとつひとつの動作を見逃したくない。

ずっと、焼き付けていたい。


たとえ残らない動画だとしても残すために私は必死だった。