「…うん、うまい」
「でしょ?」
「黒糖飴には負けるが」
「え…、うそ!そんなに好きなの?」
カラコロと跳ねた音、ふわっと広がるパイナップルの香り。
私が期待していたような驚きがないのは、1度未来を見ているからだろうか。
そして私は、この時代に来てから初めて取り出す。
「鳥海。これ知ってる?」
「……すまーと、ふぉん」
「やっぱり知ってるんだ」
「…さすがに忘れられないよ」
電波は圏外。
残りの充電は65%、十分だ。
「ははっ、すごいな。これが映写機にもなるんだろう」
「普通に触ってるし…」
「昔もこんなふうに触らせてもらったからな。…まさかまた手にできるなんて思わなかった」
覚えていることがすごい。
8年前に体験した操作方法をパッと見ただけで思い出すなんて。
カシャッと、勝手に人のスマホをいじった彼がまず撮ったものといえば。



