「うわ、……なんでこーなんの」
浴室に入ってすぐ、泥だらけの浴槽と床に、心のなかで響かせた舌打ち。
今日の保育園組の見守り当番は誰だったか。
このままじゃ制服が汚れると思い、とりあえず私は浴室からリビングへと戻った。
「やっぱタクマだ……」
6月8日。
カレンダーを確認して、ため息。
「ちょっとタクマ。弟たちを洗うの、お風呂じゃなく外の水道って言ってるでしょ」
「えー。だって風呂場のほうがラクなんだもん」
「ルールは守る。わかった?」
「へーい」
天気がいい日は必ず、保育園組は外の砂場で遊ぶことがお決まり。
そして泥だらけになった手足を洗うのは見守り係の役目。
小学6年生のタクマは適当な返事をして、2本目だろうアイスの棒をゴミ箱に投げ入れた。
はあ……。
こうなったらタクマがお風呂当番のとき、同じことして実感させてやろう。
「…よし。やるか」
スカートだけ脱いで、ジャージに履き替える。
上はワイシャツ、下はジャージ。
こんな格好で授業を受けている生徒を何人か、今日も目にした。



