1945年、君を迎えに行く。





「なんか…いけないことしてるみたい」


「本当だな」


「食べよ?おばちゃんのおにぎり」



境内にこんなふうに座って、神様に怒られちゃうねと笑う。

でももう、神様の運は使い果たした。
こうしてまた会えたことで一生分。


けれどなぜか私から一定の距離を保とうとしている鳥海は、間を詰めたとしても逃げるように避けてくる。



「……私、そんなに嫌われてるの…?」


「ちがう!そうじゃない、…違うんだ」


「じゃあどうして…」


「……訓練場でろくに風呂にも入らせてもらえなかった。だから…その、」


「気にしないよ!もう…バカじゃないの」



生きていてくれただけでこんなにも嬉しくて奇跡なんだから、お風呂なんかどうだっていい。

気にするわけがない。


こうして話せる時間を1秒だって無駄にしたくないの。



「あ、鮭!いいなぁ鮭」


「…食べるか?」


「うん」



ぱくっと、一口。
彼が手にした食べかけに遠慮なく。

あんなにも隠すことなくたくさん泣いたからか、少し吹っ切れるような気持ちで甘えることができてしまう。


おばちゃんの我慢と苦労の上にある貴重な米粒ひとつひとつの甘みを、噛みしめる。