1945年、君を迎えに行く。





「あら?もうよかと?お腹はいっぱいになったがね?怪我ん手当てもしちゃっで、もうちっと座ってなせ」


「いえ、大丈夫です。ごちそうさまで───…、……志緒、」



え……?

まぼろし…?夢……?


店内の奥。

逆光となって見えにくい代わりに、しっかり届いてくる声。



「とりっ、とりう……、ああああぁぁぁ…っ」


「シオちゃん…!」



ストンッと、全身の筋が抜けきるように情けなくもその場にへたり込んでしまった。


そこに立つ、カーキ色の彼は。

目尻と唇の横にアザを作る、彼は。



「とり、うみ……っ」



空へ散っていったはずの、ずっと触れたかった命だった。



「だって、もう…っ、しゅつげきっ、したって…!!」


「…また…帰ってきてしまったんだ」



悪天候で引き返すしかなかったと。

目の前が何も見えないなか、雷を飲み込むような竜巻を発見したことで、鳥海は引き返して戻ってきたのだと。


機体を無駄にはできない。
その一心で操縦桿を倒し、やむを得ず帰還。


もちろん上官から重い叱りを受け、また傷だらけの姿になって。