「…うん。苦しかね。おばちゃんも同じじゃ」
どうして笑っていられるのか、わからない。
ここで人生最期のご飯を仲間たちと食べて、家族の顔すら見ることも叶わないで。
彼らは言うなればエリートの集いだと聞いた。
この時代で航空士になれるものは、士官学校や飛行学校に行く者は、普通よりも裕福な家庭に生まれた者が多いと。
みんなが憧れるパイロットが───どうしてこんなことを。
「おいで。お腹空いちょっやろう」
やさしく腕を引かれて、私はとっさに涙を拭った。
まだ食堂には特攻兵がいるかもしれない。
この涙だけは見せちゃいけないものだ。
誰よりも泣きたいのは、叫びたいのは、逃げ出したいのは、投げ出したいのは………彼らなのだから。
「なんでも出すっでね。ここん来る子たちはみんな、おばちゃんの子じゃっで」
おばちゃんの着物も前回より地味になっている。
所々がほつれては、別の布を重ね合わせて、なんとか見立てていた。
痛くも痒くもないのだろう。
日々、毎日と、特攻兵たちを見送る彼女からすれば、そんな我慢は。



