──────……なにを、しようか。
まさかこの時代で、こんな平和ボケたことを考えるなんて思わなかった。
1945年、私は無事に時空を超えた。
改めて数えれば、もう5回目になるんだ。
たしかに都合が良すぎる。
5回も過去に戻って、人と関わって、なにも影響が出ないほうがおかしいんだ。
「どこに……行こっか」
実感がない。
ほんとうに、もう、彼が居なくなったなんて信じたくもないが疑いようもない。
戻ったはいいものの、会いたい人に会えないなんて。
この道をまっすぐ行けば基地の入り口が見えてくる。
けれど私はUターンして、民家が立ち並ぶ方面へとおもむろに向かった。
「ごちそうさまー!おばちゃん!」
「おばちゃんもあまり無理するなよー?」
「なにをいらん心配しちょるんじゃ。お腹はいっぱいになったがね?」
「ああ!満腹満腹!」
「…そう。そりゃあ…よかった」
とくに目指していたわけではないものの、身体が勝手に動いていた。
暖簾から出てくる数人の兵隊たち。
この食堂の顔である女性は、目の前の青年たちを我が子を見守る母親のように見つめていた。



