1945年、君を迎えに行く。





「ここ、私の家」


「……あすなろ園、」


「クラスメイトたちも先生も一応知ってるけど、だからって別に変な気は遣わなくていいから。…施設の生活、意外と楽しいし」



保育園みたいでしょ。

小学生がいちばん多くて、中学生は3人、高校生は私を入れて今は2人。


未就学児も何人かいて、職員さんは毎日大変だ。


施設まで辿り着いてやっと、私は鳥海 隼人に向き合った。



「なるほどな。お風呂当番って…そういうことか」


「…大家族なんだよね、うち」



買い物当番もたまにあるし、小学生の宿題を見てあげる塾係ってのも最近になって出来つつある。

素直に聞いてお小遣いアップをねだっている私だけど、そこは頭の堅い職員たちだ。


なかなか上手くいかないことが近頃の悩み。



「じゃーね」


「…志緒!」



呼び止められて、振り返った私は。

平然を装いながらもだいぶ下手くそな顔を向けてしまったような気がする。



「また明日。頑張れよ、お風呂当番」


「……うん」



鳥海ってそんなふうに笑うんだ…。

意固地になって去勢を張っていた自分が、なんだか馬鹿みたいに思えた。