1945年、君を迎えに行く。





そうすればオリジナルの世界での歪みも無かったことにできるって?

私が好き勝手してしまった業を、この世界であんたが最後まで引き受けて無かったことにするって?



「っ…、……私さ…、クラスメイトのあんたと放課後、喫茶店に寄ってシフォンケーキ食べたいんだよね」


「……!」


「ゲーセン寄ったりしてさ…、そんな友達と、一緒に高校生したいの」


「っ、志緒…!」



しわくちゃなその手からサイコロを奪った。


ごめん、お母さん。
お父さんもごめん。

夕飯はね、昔よく行ったファミレスって考えてたよ。



「そこまでおじいちゃんだと、せっかくの風船も膨らませらんないでしょ……隼人」



思い出した。

1945年。
鳥海 隼人という特攻兵はもう、いないこと。


だからこのサイコロを奪ったことでもう1度過去に行って、その先でオリジナルの私たちの世界に戻れるのなら。


私はそっちを選ぶよ。

お父さんもお母さんもいなくても、杠さんとは気まずい関係でも、廣岡先輩が面倒でも、それでも私は。


だってそこには、生意気なクラスメイトで友達の、鳥海 隼人がいるんだから───。