1945年、君を迎えに行く。





「ここは……おまえの望みがすべて叶っている世界じゃないか?」


「………、」



朝、お母さんに起こしてもらって。
お父さんに挨拶をして、家族でご飯を食べる。

保護者会のプリントは不戦勝扱いされなくて、先生に言うと「馬鹿なことを言うな」って怒られちゃってさ。


私も、レオも、きっと俊太郎だって。
あすなろ園など知らないんだ。


そのとき、ピロン、と。

スマホが光った。



《ちょっと、無理ってどういうことよ志緒〜?それに今日の夕飯、食べたいもの決まった?お父さんの給料日だから遠慮しなくていいからね(笑)》



ああ、幸せだな……。
こんなメッセージを何度も何度も夢見たよ。

お使いを頼まれて、めんどくさいって断って、お小遣い減らすわよ?なんて脅されて。


こんな世界線も確かにあったんだと思うと、そりゃあやるせないよ。



「今ならすべてを無かったことにできる。俺がこのサイコロを…火葬場まで持っていくさ」



ここで寿命を全うするっていうの。

残った寿命をこの病院で過ごして、火葬場でサイコロを燃やすっていうの。