「隼人…っ、なんで…!」
「心配するな。これは…言うなれば神からの叱りのようなものだ。俺たちが好き勝手してしまった……代償でもある」
「そん、な……」
「…志緒」
自分の身に起きた歪みの調整を、彼は受け入れていた。
あんたからすればたまったものじゃないはずなのに。
理不尽極まりないというのに。
どうしてそこまで穏やかな顔をしているの。
「このままでも俺はいいと思っている」
「いいって…、っ、いいわけないじゃん…!」
「本来いなかった存在なんだ、俺は。だが志緒……おまえはここが幸せじゃないか?」
「っ…」
何十年と生きた証が刻み込まれる手には、ずっと探していたサイコロがあった。
これを私がもう1度手にすると、また時空の歪みが生じ、私はまず過去─1945年─に飛ばされるだろうと。
そして再び戻ったとき、この世界は消えると。
当たり前だ。
この世界は言ってしまえば歪みの調整が作り出したパラレルワールドで、並行世界なのだから。
オリジナルの世界に戻ったなら、私がここに来ることはできなくなる。



