《サランラップ切れてたから、帰りに買ってきてもらえる?》
校舎を出たところで、母からのメッセージに気がついた。
既読をつけたまましばらくその場に立ち尽くしてしまう。
何度も文字を目でなぞって、ゆっくり《ごめん、無理かも》と返信した。
あてはないし、保証だってない。
ただ、ひとつだけ。
心当たりがあるとするなら、彼が気に入っていた喫茶店。
大好物のシフォンケーキがある唯一。
「オレっ、明日の試合ぜったいゴール決めるから!ちゃんと観に来てよ母ちゃん!」
「当たり前でしょ〜?レオの活躍はお母さん、ぜんぶ見逃さないんだから」
「おう!!」
ふと、すれ違った親子を目にして、足取りが止まった。
ランドセルを背負っている男の子と、いたずらに微笑む母親。
買い物帰りなのか、エコバッグを肩にかけた親子は並んで一緒に帰っていく。
………レオ。
そーいえばあんた、サッカー得意だったね。
施設でもいつもサッカーボールと遊んでさ、たまに俊太郎に相手してもらったりして。



