「………まっ…さん……?」
ありえない。
どうしてここにいるの、我妻 昌也。
「…歪みの調整ってやつだ」
「ッ…!?」
「本来なかった場所にあるというのは、そして接点がなかった同士が関わってしまうということは、自分だけじゃなく相手の時間や運命をも狂わせることになるんだ花折」
なに、どういうこと……?
どうしてマッサンがここにいて、未来で聞いた言葉を、まったく同じように繰り返しているの。
ゾクリ、ぞわりと、それは体験したことのない危機感から出る怯えだった。
「…取り返しのつかないことになるぞ」
兵士ではなく、白衣を着て眼鏡をかけた見知った姿に完全に変わって。
その瞬間、私を戻らせようとしてくるフラッシュと秒針音。
歪みの調整……。
つまりそれは、私がこうして行き来を繰り返したことでついに1945年にも影響を及ぼし始めたということか。
過去が変われば未来は変わる。
考えなくとも分かる当たり前の法則だ。
「ッ…、鳥海…っ!!」
それでも、そうだったとしても。
─────好きなんだ、ただ。
私は彼のことが、好きなんだ。
渡せなかった五平餅をせめてその兵士に託し、私が見ていた世界は閉じた。



