1945年、君を迎えに行く。





はしれ、……走れ。



「走れぇーーーッ!!!」



草木を抜け、兵舎を過ぎ。
その先、滑走路へと続く飛行場の入り口がある。

たどり着いたとき、雨風は激しさを増していた。


彼の涙か、私の涙か、鳥海のお母さんの涙か。


この雨は一生、止むことはない。



「きみは女学生か…?今日の出撃はもう終わったぞ」


「とりうみ…っ!鳥海は…!!」


「鳥海……?…ああ、鳥海少尉は先ほど立派に出撃していったよ」



立派…?

何をもってして“立派”なの。


爆弾を積んだ戦闘機に乗り、操縦し、自らの命ごと敵艦に体当たりをし、死んでいく。


立派な死とは……なんだ。



「…見送れなかったのか」



声を枯らすようにその場にへたり込んだ私にしゃがみかけた、ひとりの兵士。

彼もまた明日か、明後日か、同じように飛び立っていくのだろう。