「あのっ…!待ってください…!!鳥海の…っ、鳥海のお母さんですよね…!?」
「っ!……どうして…」
「…彼の、知り合いなんです」
やっぱりそうだ。
私が会ったあなたは世界線が違う平行世界のあなただったとしても、顔も、声も、同じなのだから。
子どもを心配する母親の目は、どこだったとしても変わりはないのだから。
彼女はこのオリジナルの世界の、鳥海のお母さんだ。
「隼人は無事なんね…!?隼人は、あの子は…っ、特攻隊にはなっていませんよね…?」
「………、」
「あの子っ、手紙には身体が弱いから作業兵にしかなれんかったって言っとったけど…、もう心配で心配でっ」
母親の勘は、当たる。
息子の強がりや嘘などお見通し。
私の肩を掴んでまで懸命に聞いてくる彼女に、どう言葉を届ければいいのか分からなかった。
ただ喉が渇いては冷や汗が流れ、全身がドクドクと激しく脈を打ち出す。



