「約束する。ぜったい…約束しちゃる。なんやってウチらは花鳥風月隊じゃっでね!」
ここに風間さんと鳥海がいたら、どんな顔をしていただろう。
そしてふたりで手を合わせて、「ごちそうさまでした」を心から唱えた。
「そろそろ戻ろうか。私もまた向こうでお手伝いするよ」
「……ま、まだ時間はあんねっ!ウチ、今日は家族んところに泊まろうち思うちょっと。ほらこんな天気やし、じゃっでシオちゃんも一緒に来やんせ!」
「え、でも交代制なんだよね…?泊まるのはさすがに厳しいんじゃ…」
「大丈夫じゃ!ウチで最後やったから」
これは違和感だ。
ヤエちゃんは誠実でしっかり者だから、きっと嘘が誰よりも下手なんだと思う。
なにかを隠していることくらい、わかってしまった。
「ヤエちゃん、なにか───、っ!!」
「シオちゃん…?ちょっ、どげんしたと!?っ、おばちゃん!ご馳走さまっ」
入口付近をたまたま通りかかった人間を目にして、私は意識よりも先に身体が動く。
席を立ち上がって食堂を駆け出て、傘も差さず、背後から追いかけてくるヤエちゃんを気にも止めずに。
旅人のように風呂敷で身なりを隠しながらも、その雰囲気は消えていなかった。



