1945年、君を迎えに行く。





戦争はおかしい。
戦争なんか、しちゃいけない。

命の犠牲の先にある勝利など、正しくはない。


人間が当たり前のように持っている批判を、思いを、持っていい気持ちや尊厳を、そのまま世に放つことは、この時代では犯罪と同等。


潤んだ瞳で私を見つめてくる奥に、少女の夢や憧れだけじゃない正義が含まれている気がした。



「じゃっで、シオちゃんはそんままでいて。人間らしゅう…そんままで。でも、これだけは知っちょってほしか。……ウチも本当は、真実を語ってはいけんこの風潮が…悲しゅうて悔しゅうてたまらんの」


「………ヤエちゃん。じゃあ、私ともこれだけは約束してほしい」


「…うん、なあに?」



月永 やえ子。

あなたは私にまた、その真実を聞かせてくれた。


真実こそ語ってはならないとされている現代の風潮がとても悲しい、と。




「絶対に────…生き抜いて」




未来で、あなたの娘さんが講演会で私に語ってくれるまで。


すべて繋がっているんだと。

少し前まで恐怖に変換されていたピースが、初めて温かさに変わった。