1945年、君を迎えに行く。





「どげん?シオちゃん、頬っぺた落っこちたじゃろ?」


「……落っこちた」


「…ふふっ」



笑ってから、周りを気にして「あっ、いけん」と、ヤエちゃんは顔を引き締める。

美味しいものを食べて笑う、友達とあるがままに分かち合う、それすらさせてくれないんだ。


この時代で初めて口にした食事は、友達と食べた玉子丼は。


一口ひとくちが勿体なく感じてしまうほど切なく、しょっぱくて美味しかった。



「…前は、ごめんね」



食べ終わった頃、しずかに、ゆっくりと、ヤエちゃんは視線を落としながら言う。



「っ、そんなの私のほうが……私こそ、ごめんなさい」


「ううん。ウチも本当は…シオちゃんみたいなまま、おったかったじゃ」



私みたいなまま…?



「違うことは違うっちゅって、おかしかことはおかしかってゆって。…できることならずっと、そげんふうに立っちゃえる人間でいたかった」