1945年、君を迎えに行く。





「ヤエちゃん……向こうの、みんなは、」



「基地」とは言ってはいけない約束。

それを守りながら、曖昧に聞いた。



「向こうは…大丈夫じゃ。空襲があったって聞いて、ウチらは交代で実家ん様子を見ていい許可が下りたとよ」


「そうだったんだ…」


「…鳥海さんも、変わらずおるからね」



私の想いを汲み取ってくれたような言葉に、なんとも言えない気持ちが込み上げてきた。

ヤエちゃんの手をそっと握って、私はあなたが無事だったことも心から嬉しいと伝える。


あのときはごめんなさい。

なにも分かっていなくて、最低なことばかりを言った。

ハルミちゃんにも申し訳ない。


するとヤエちゃんはどこか複雑そうな顔を一瞬だけ見せて、それからただの少女になった。



「ねえ、お腹空いちょらん?良かところ案内しちゃる!天気も悪かし、身体あっためんと!」


「えっ、わっ、」


「この空襲んなかでも無事やった魔法の食堂があるとよ!まるでシオちゃんみたいっちゃ。シオちゃんもぜったい生きちょってくれる!」