「馬鹿なこと言ってるって…わかってるよ。そんなの分かってる。勝手だって、私の自己満足でしかないって。でも私は……鳥海には死んでほしくないって思ってる」
まだ知りたいことがたくさんある。
彼が好きなもの、苦手なもの、どんなときに笑って、どんなときに悲しむのか。
そんな当たり前を、私は何ひとつ知らないから。
とくに隼人は言葉を返すことをしなかった。
(隼人はお母さんに会いたいって思わないのかな…)
ふと、考えてしまった。
この未来にきた隼人は、お母さんとも会えなくなったということ。
………寂しく、ないのかな。
「なんだ、花折。また来てたのか」
「…マッサンも来るなら言ってよ」
「僕もスマホはそこまで必須としてないんでね」
どこかに寄ってきたのか、現れたマッサンはビニール袋を手提げていた。
ゴソゴソと手を突っ込んで、さっそく隼人の前に差し出す。



