1945年、君を迎えに行く。





「…あれ以来、向こうに行ったのか?」


「…できればあんたが血を吐く前に行きたかった」



そうすれば入院はしてなかったかもしれない。


つまり「行けてない」ということ。


だから落ち着かないの。
今にも行きたいよ、行けるなら。

いつ出撃命令が下されるか分からないんだから。


あんな次から次に命をいのちとして見られない、道具として扱われる場所で生きている彼─鳥海─は。



「ここに連れてくることって…できるかな」


「え?」


「…鳥海をさ、この未来に」



わりと本気だったりする。

むしろそれくらいしないと救えないんじゃないかって、焦ってる。



「そんなことしたら時間が歪むぞ。この世界は確実に無くなる」


「…わかってるよ。でも、それ覚悟って言ったら?」


「……おまえ…、」



飛ばせたくない。

飛べなかった隼人を前に、最低なことを言っているかもしれないけれど。


飛べる彼を、私は飛ばせたくない。
あんな空を飛ばせたくはない。


それに……未来に誰よりも焦がれていた鳥海を、私はここに連れてきたいと思っている。