1945年、君を迎えに行く。





「薬はすでに完成した。本来なら鳥海の病気にも効くはずだが、効果はなかった」


「完成したって…、特効薬あるってことじゃん。効果はないって、なに…?なんで…?」


「それが歪みの調整なんだ。元々この時代に居なかった存在は…その調整によって“存在しない者”としてバランスを取られるからだろうな。つまり、僕も鳥海と同意見だ。もうサイコロで過去へ行くのはやめろ」



私はこの漢数字をリミッターとして認識している。

三が消えたなら、今度は二が消えるんだ。


そして一が消えたなら、サイコロはもう時空移動の価値を見出さないだろうと。


………時間が、ないんだよ。



「花折。向こうの時代に情でも生まれたか」


「っ、…救いたい存在がいる。それだけだよ」



特攻兵なんだ。
いつ出撃してしまうか分からない。

2回戻って来てしまったと言っていたけど、そんなものは奇跡的な運でしかない。


1日1日、何人もの命が空へと散っていくの。


そのなかに、あの人も含まれている。