1945年、君を迎えに行く。





「…志緒、もうそのサイコロは捨てたほうがいいんじゃないか」



隼人がそんな変わったことを言ってきたのは、漢数字がひとつ消えたサイコロを見つめていたときだった。


理由もわからない。

原因も、わからない。


かと言って突き詰める方法は過去に戻るしかなく、そうしてしまうことでまた消えてしまうかもしれない。



「なに言ってるの。隼人は薬の開発、私はそれを届ける役目。…そう約束したじゃん」


「…俺の病気はこの時代でも特効薬は作られてない」


「だから自分で作るんでしょ…?マッサンも手伝ってくれてる。…今さら諦めるなんて、あんたらしくないよ」



隼人が私に伝えたいことが、よくわからない。

結局なにを言いたいのかハッキリして欲しい。


口をつぐんで視線を逸らして、それはあなたが何かを隠すときの仕草だ。



「歪みの調整ってやつだ」



放課後の屋上。

私と隼人が向かい合う場所に、初めてマッサンが自分の足で加わってきた。