1945年、君を迎えに行く。





「…そんな顔をされたら期待していたと思うことにするぞ、俺は」



期待していたのは、俺だろう。



「死よりもずっと遠い場所にいる男としたら…いけない」


「……なにそれ」



そして傷つけてしまったのも、俺。

そのあとは俺が知りたいと言って、志緒から未来の話を聞いた。


震える声で話してくれる志緒と触れ合った肩だけで満足しなければいけないのが俺なんだ。


あの出来事は、俺だけのものに留めておこうと決めていた。



『具合はどう?…ハヤトくん』


『どうして……おれのなまえ…』


『…ふふ。どうしてかな』



明るすぎる病室で目を覚ました10歳の俺に、笑いかけてくれた女性がいた。

純白の白衣を身につけた医者は聡明で知的で大人な印象を与え、見た目は30代ほどだったろうか。


彼女が屋根から落ちた俺を助け、治療してくれたのだと。



『屋根?』


『うん、落ちたんだ。そしたら…ここに、来てた』


『…そっか』



怖かった。

恐ろしかったけれど、同じくらい興味が湧いた。