1945年、君を迎えに行く。





「そうこう言っていたらチャイム、鳴ったぞ」



そう言いながらも興味ない素振りで、マッサンは液体に何かを混ぜて化学反応を試していた。


もういーや。

どうせ3限は自習だし、今から鳥海と一緒に戻ったほうが面倒だ。



「戻ろう、志緒」


「…私はここにいる。鳥海だけ戻って」


「いいやダメだ。学べるってのは幸せなことなんだぞ」


「はあ…。わっかりましたよー」



説教くさいところも鳥海の特徴だ。

軽くうなずきながら制服のポケットに手を突っ込んだ私は、それを出そうか迷ってしまう。


………まあいっか、別に言わなくても。



「どうした?」


「…ううん」



何事もなかったように頭を振って、準備室を出ようとしているクラスメイトに続く。


ポケットに入っている不思議な物は、拾い物だった。


数日前、マッサンも留守にしていて誰もいないこの場所に唯一落ちていた正六面体。

手のひらにギリギリ収まるサイズには、漢数字が表記されている。