1945年、君を迎えに行く。





「……私が過去に戻ってるあいだに練習しまくった?」


「ああ。すこし苦しいが、なんとかできるようになった」


「…すごい。やったじゃん」



その姿に、なぜか泣きたくなった。


ここにいる隼人はオリジナルよりも子供っぽい一面があって、現代っ子に染まりつつある部分も出てきている。

本人は今も心から嬉しそうだった。


戦争がない時代の彼は、鳥海は、もしかすると今の隼人のようだったのではないか。


そんなことばかり考えてしまう私は。



「いっしょに飛ばそう」


「え…?飛ばすって?」


「こっちの風船にはヘリウムガスを入れたんだ」



意地悪に骨格を引き上げた隼人は、手にしていた紙袋からもう1つの風船を取り出した。

ヘリウムガスを入れた風船は空へと浮くことをマッサンから教えてもらったらしい。


校舎を出ようとしていた私の腕を引っぱって、生徒たちが居ない場所。


さっそく青い空へと放った隼人は、どこか清々しかった。