1945年、君を迎えに行く。





「ハルミちゃんはそんなことをやえ子ちゃんに言って欲しかったと思うか…?志緒も君に意地悪をしたくて言ったわけじゃない。やえ子ちゃんもきっとそうだろう。だれも…悪くないんだよ」



鳥海に諭されて、ヤエちゃんは声にならない声で泣いていた。

そのあと小さく小さく、私たちはハルミちゃんを空へと送った。



「……ごめん…なさい、……ごめん…っ」



そっと背中を撫でてくれる鳥海の横で。

私は、なにも考えずに放ってしまった自分の失態を自覚し、最低なことをしてしまったと。


ただただ、繰り返すしかできなかった。


国のために1度きりの命も人生も捨てなくてはならない特攻兵を前にして、「負ける」と言ってしまった自分の滑稽さを。



「…かっこわりぃよなあ、俺たちは。戦争を知らなくていい女の子たちにあんなこと言わせちまったんだ。…特攻までして、残していく人間たちに安心さえ与えてやれねえなんてさ。一体なにやってんだろうな日本は」


「俺も悔しいよ風間。俺たちは…到底軍神なんかじゃないな」



ふたりの若き兵士の覚悟が宿った会話は、私の心に深く深く刻み込まれる。




「────戻ろう、志緒」




そんな彼の言葉によって、私は現代へと戻った。