1945年、君を迎えに行く。





「やえ子ちゃん、志緒の様子はどうだ」


「だいぶ汗も引いて、呼吸も落ち着いちょります。あとはお水をたくさん飲ませたらようなると思いますから。今もハルミに汲んでくるよう頼んだところじゃっで」


「そうか…、よかった」


「ふたりで飛び出してなーにしていたんだかねえ。服でも脱がねえかぎり、こんなにも熱は出ないと思うぜ?ぐふふ」


「だまれ風間」



身体のベタつきが鬱陶しくなって、重いまぶたをゆっくりと開く。

ぶら下がった屋根付きの電球、土と木の匂い、お世辞でも休まるとは言えない背中の固さ。


最初に気づいた青年が、私のそばに寄ってくる。



「大丈夫か。…悪い、こんな季節に川遊びをさせてしまった俺のせいだ」


「……そう、だよ、」



「鳥海のせい…」と言いながらへらりと笑ってみせると、申し訳なさを出しつつ安心したように彼は眉を下げた。

ここは空きとなった兵舎らしく、今はヤエちゃんたち女学生の休憩所として使われているらしい。


ほかの生徒たちは手伝いをしに行っているのか、私を見守るのはヤエちゃんと鳥海……それから風間さん、だったか。