『はーっ、…はーっ』
『ちゃんとお薬飲んだから、明日にはきっと治るからね志緒』
7歳の頃、私は高熱で寝込んだことがあったという。
比較的身体は丈夫だった私が、40度近い熱を出して体調を崩した珍しい日。
母親は付きっきりで看病してくれて、それが逆に嬉しくて熱が上がってしまったような気がする。
『ママ……わたし、しんじゃう…?』
『ふふ、大丈夫よ。ママが隣にいるし、パパも今日は早く帰ってくるって』
『…お仕事いそがしいのに……ごめんねママ…』
母はクスッと笑って、『なに言ってるの』と、私の火照った頬を撫でてくれた。
『ママもパパも、志緒のためなら何だってできちゃうんだから。ママもパパも自分の命よりずっとずっと…志緒の命が大事なの』
今ならわかる。
お母さん、お父さん、私のために自分の命を捨てたりなんかしたらいけないよ。
私を守るために犠牲になるなんて、ぜったいダメ。



