1945年、君を迎えに行く。





「その人は……だれなの?」


「…………」



忘れてしまった、ということだろうか。
それとも名前を聞いていなかったか。

黙りこくってしまった彼に、これ以上踏み込むことはどうしてもできそうになかった。



「俺は…、自分の病気を治したかったんだ」



やっぱり“鳥海 隼人”だと。

どの世界線だろうが、オリジナルだろうがそうじゃなかろうが。


根本にある決意は、同じ。



「未来にまた行けば、必ず治せると思った。たくさんの薬があって、見たこともない医療器具ばかりを見た。あれさえあれば……俺の病気は治るって」


「…うん」


「…だが、俺は失敗したよ」


「……くやしい?」


「っ、」



なにを聞いているんだろうね、私。
最低なことを聞いた自覚だけはある。

どうしようもないことに対して、掘り返しているんだから。



「…悔しくは、ないさ。俺がここに残らなければいけない理由がどこかにあったんだろう。それは……俺が、ここに残された俺だからこその」