草木の上、仰向けに寝ていた私を心配するようにハルミちゃんは覗きこんだ。
怪我はない?お腹は空いてるの?なにがあったの?と、心配というより彼女の場合は私にまた会えた嬉しさのほうが大きそうだ。
「…また…、迷っちゃったみたいで…」
「そーと!?シオちゃんもおっちょこちょいなんじゃねえ。そげん薄着しとったら風邪引くとよ?みんな向こうにおるで、行こっ?」
「…うん」
前回よりはマシだが、山々に囲まれている現在地はやっぱり肌寒いな…。
現代は夏で、服装も夏。
激しい気温差に心が折れそうになる。
ただ1945年、私は無事に時空移動─タイムスリップ─には成功したらしい。
場所もきっと、知覧で間違いない。
ハルミちゃんやヤエちゃんも居るとなれば………あの人も。
「この子はポチ。シオちゃんと同じ迷い子やっど。みんなで可愛がっちょっとよ」
「そうなんだ。まだ…赤ちゃんだね」
「ここの人気者っちゃ!」
ハルミちゃんの腕のなか、尻尾を激しく振って今にも私に飛びついてきそうだ。
人懐っこい性格らしく、兵隊さんたちのあいだでも可愛がられていると。
動物の眼差しもまた、時代は関係ないみたいだ。



