口をつぐんで、それ以上を話そうとはしなかった。
彼もまた、私にその場所の悲惨さを伝えようとしているのかもしれない。
「やめておけ」と、マッサンのようなことを言うつもりだったのかもしれない。
けれど私に微かな希望を託しているのもまた、隼人なのだ。
あなたも知りたいんでしょう。
なぜオリジナルが未来に来ようとしていたのか。
自分が手にできなかったものを手にしておいて、父親が望んだ兵士になったにも関わらず、なぜ?と。
「あのさ……マッサン。マッサンと隼人が親族っていうのは、隼人をここで生きさせるための嘘だよね?」
「…君はやっぱり鋭いな」
「最初ふたりはどう出会ったの?」
「道端で死んでいた」
「…え…?」
聞くところによれば、その日はたまたまマッサンが23時過ぎるほどの残業をした日。
学校の警備員の代わりに戸締まりをチェックしてから家路を辿った頃、23時半を過ぎていたと。



