1945年、君を迎えに行く。





「隼人は何か知らない?このサイコロと一緒に現代に来たんでしょ?」


「あいにく俺はそれを使ったことがない。ここに飛ばされて初めて目にしたくらいだ」


「…じゃあ持ち主はやっぱり、オリジナル鳥海ってことか」



隼人自身はこのサイコロで時空移動したことはないらしい。

この時代に飛ばされたとき気づけば握っていただけで、私が体験したようなものは知らないと。


なので私は再びポケットにしまい込んだ。



「おい、花折」



ここでようやく、顕微鏡から目を離してまでも私を見てきたマッサン。



「…それを利用して過去に行くと言っていたが、やめたほうがいいぞ」


「え、なんで?」



あっけらかんと放つ私に、ため息交じりかと思えば真剣な面持ちで静かに続けられる。



「時代も時代だ。楽しいことは少ないだろうな」



わかってるよ。


いつ敵の攻撃を受けるか分からないし、楽しいことなんかない。

あるとするなら思ってもみないタイミングで渡された黒糖飴とか。

それくらいだ。


あの時代の“ひととき”とは、それくらいなんだ。