1945年、君を迎えに行く。





ゴオオオオオオーーーー………。


空を飛び立っていく機体音に、地面が揺れたような気がした。

耳をつんざいてくるその音は、まるで遺伝子に組み込まれた警報音だ。


敵の音か味方の音か、区別の仕方は爆撃が落ちてくるかそうじゃないか。



「────……、ッ、……っ、戻って……きた…?」



土の匂いを最初に感じて、重いまぶたを開き、身体を勢いよく起こしてあたりを見渡す。


入り口から一筋の逆光が射す兵舎内。

真ん中が通路、1段上がった床板には各々に薄い布団が重なっており、くたびれた冊子と鉛筆が枕に隠されるように置かれていた。


時空を超えた感覚を確かめる前に、私はとっさに立ち上がる。



「成功した…っ、やった…、これでっ」



手にした一風変わったサイコロ。
表記された数字は「一」

残る1マスに刻まれた確かな漢数字。


残されたチャンスを示す、時空の鍵。

投げるたび数字は減っていく────運命の残り回数。


そしてこれが、最後の、「一」だ。