夜の九時過ぎ。
学校の宿題をしていたら、机の上でスマホが震えた。
反射的に画面を見ると、友達のアイからメッセージが届いていた。
『たすけて』
ひらがなだけの短いメッセージは、漢字に変換する余裕も長文を打つ余裕もない緊急事態なのだと、必死で訴えているようにも見えた。
『どうしたの?』
急いで尋ねたけど、一分待っても返信はない。
しびれを切らし、私は通話ボタンを押した。
呼び出し音が繰り返し流れる。
でも、出ない。
「どうしたんだろう……」
私はしばらく待ってから、もう一度メッセージを送った。
『何があったの? 大丈夫?』
『大丈夫。気にしないで』
今度はすぐに返事が来たから、私は安心して寝た。
次の日。
学校に行くと、アイはクラスメイトと談笑していた。
アイと私の共通の友達であるユウは、まだ登校してないようだ。
「アイ、おはよう」
「あ、おはよー、なっちん!」
アイはおどけたように敬礼した。
アイはお調子者で、しかもズボラだ。
いちいちロック解除するのが面倒くさいからって、スマホのロックもかけてない。
「元気そうじゃん。昨日の『たすけて』っていうのは、やっぱり冗談だったんだね」
「え? 何の話?」
アイはキョトンとした顔で、首をかしげた。
「もう。とぼけないでよ」
私はスマホを取り出し、アイに画面を突きつけた。
「『メッセージの送信は取り消されました』って表示されてるけどさ。『たすけて』って送ってきたでしょ?」
「いや、送ってないよ。実はスマホ、昨日なくしちゃったんだよ。塾の帰り道、どっかで落としたみたいなの」
「……え?」
――じゃあ、私にメッセージを送ってきたのは、誰?
それから三日経ったけど、ユウは不登校のまま。
ユウの母親は「四日前の夜、コンビニに行ったきり帰って来ない」と泣いていた。
行方知れずのユウのことを心配しながらテレビを見ていると、衝撃的なニュースが流れた。
私が通っている学校の近くのゴミ捨て場から、若い女性の右腕が発見されたと。
他の部位はまだ見つかっておらず、警察が捜索を続けているという。
――まさか……。
背筋を冷たいものが這ったそのとき、スマホが震えた。
『見てる?』
メッセージの送り主は、アイ。
『既読』の文字がついた瞬間、新しいメッセージが届いた。
『次はお前』
学校の宿題をしていたら、机の上でスマホが震えた。
反射的に画面を見ると、友達のアイからメッセージが届いていた。
『たすけて』
ひらがなだけの短いメッセージは、漢字に変換する余裕も長文を打つ余裕もない緊急事態なのだと、必死で訴えているようにも見えた。
『どうしたの?』
急いで尋ねたけど、一分待っても返信はない。
しびれを切らし、私は通話ボタンを押した。
呼び出し音が繰り返し流れる。
でも、出ない。
「どうしたんだろう……」
私はしばらく待ってから、もう一度メッセージを送った。
『何があったの? 大丈夫?』
『大丈夫。気にしないで』
今度はすぐに返事が来たから、私は安心して寝た。
次の日。
学校に行くと、アイはクラスメイトと談笑していた。
アイと私の共通の友達であるユウは、まだ登校してないようだ。
「アイ、おはよう」
「あ、おはよー、なっちん!」
アイはおどけたように敬礼した。
アイはお調子者で、しかもズボラだ。
いちいちロック解除するのが面倒くさいからって、スマホのロックもかけてない。
「元気そうじゃん。昨日の『たすけて』っていうのは、やっぱり冗談だったんだね」
「え? 何の話?」
アイはキョトンとした顔で、首をかしげた。
「もう。とぼけないでよ」
私はスマホを取り出し、アイに画面を突きつけた。
「『メッセージの送信は取り消されました』って表示されてるけどさ。『たすけて』って送ってきたでしょ?」
「いや、送ってないよ。実はスマホ、昨日なくしちゃったんだよ。塾の帰り道、どっかで落としたみたいなの」
「……え?」
――じゃあ、私にメッセージを送ってきたのは、誰?
それから三日経ったけど、ユウは不登校のまま。
ユウの母親は「四日前の夜、コンビニに行ったきり帰って来ない」と泣いていた。
行方知れずのユウのことを心配しながらテレビを見ていると、衝撃的なニュースが流れた。
私が通っている学校の近くのゴミ捨て場から、若い女性の右腕が発見されたと。
他の部位はまだ見つかっておらず、警察が捜索を続けているという。
――まさか……。
背筋を冷たいものが這ったそのとき、スマホが震えた。
『見てる?』
メッセージの送り主は、アイ。
『既読』の文字がついた瞬間、新しいメッセージが届いた。
『次はお前』



