転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜

 「誰だ?ああお前か…」

 地下に捕まっているから、姿を見ることはできない。
 だが、その声は確かにヴオルールだった。

「なんのようだ?
 俺はただの盗人だぞ?」

「ああ、前は、そうだったな。
 今はも盗人なのか?」

「そんなわけないだろ?
 今はものなんて盗みようがないんだ。
 どうやって盗人になると言うんだ?」

「今も盗む気があるのか?
 それならお前はい今も盗人だ。
 逆に今、自分は盗人と答えたんだから、盗む気はあるんだな?」

「そんなわけないだろ?
 キーヌと約束をしたんだ。
 もう盗んだりはしないと。
 そう言えば、最後にキーヌと話しをさせてくれたのは、お前のおかげだったな」

「まあ、俺はお前なんか盗人のためじゃなくて、キーヌのために言っただけなんだけどな」

「ふっ。そうなのか。
 キーヌもお前をひどく気に入っててな、昨日もよくお前のことを話していたよ」

「それに、私の娘を説得して救ってくれたんだってな?」

「それも知らずに、私はあんなことを…」

「まあ、それをしていなかったとしても、盗みはしたら、ダメだけどな」

「そうだな。
 そう言えば聞いたぞ?
 お前、この村を出て王都に出るらしいな」

 誰から聞いたのかわからないが、この村の情報網はすごいな。
 俺の中学校の時、情報屋みたいなのがいて噂がすぐ広まったが、まさにそれがいるのかもな。

「その通りだ。俺はこの村を出て、財務大臣に一言言ってやらないといけないからな。
 でなければ村はずっとこのままだ。
 それどころか、いつかは誰もいなくなってしまう」

「もう会えなくなるのか。
 残念だな」

 そうか。まだ俺がこの村に戻ってくることは聞いていないのか。
 それなら言ったほうが………いや。

「俺はこの村に戻ることはない。
 だが、俺が去った後も、もう盗みはせず、この牢屋から出ていることを、信じているよ」

「牢屋から出れるかわからないな。
 だが、娘たちのためにも俺はここから出なければならない。
 なら、俺に期待をしていてくれ」

「分かった。良い知らせを待っているよ」

 これがヴオルールにとって、俺との最後の別れだった。

 俺は振り向かずに、その場をさった。



「お!温泉はまだやったらやってるーーー」

 温泉に着き、中に入ろうとしたら、

「あ!約束通り来てくれたんだね!」

 そう言って2人で入って店に入った。


「あー。明日からはこの村を出るのかーー!
 折角だし、僕1人で入るのもなんだから、昨日みたいに一緒に入れるかな?」

 その瞬間、トンプリーには2人の姿が見えていた。

「おっと?邪魔してちゃったみたいだね」

 そう言ってトンプリーは部屋に戻って行った。

 俺は中に入り、早速湯船に浸かった。

「やっぱり、この湯は最高だなーー!」

「あの、隣、入るね」

 そう言ってキーヌはこちらに入ろうとしたが、…ん?前見た時より大きくなってないか?
 いや、気のせいじゃない。
 絶対に大きくなっている。
 前よりも1.5倍くらい大きくなっていないか?
 でも流石にこんなに大きくなることはないはずだ。
 前もただでさえ大きかったのに、こんな大きさ、おそらく現実世界には存在しない。
 これが異世界なのか?
 異世界って、こんなに急に大きくなるのか?
 異世界……恐るべしだな。
 しかも、前は上の部分ばっか見て気づかなかったがこいつ…
 下もとんでもなくでデカい。
 ここも前より絶対大きくなっている。
 こんなので潰されたら…俺、耐えられるのか?

「どこ見てるの?
 いくらなんでもガン見しすぎだよ?」

 しまった。いくらなんでも精査しすぎたか?