夜中ベッドの上で目が覚めると窓辺から気配がした。そこに視線を向けると窓に張り付きすごく怖い表情で「シールがほしいの」と呟く石川さんが……。
リアルで目覚める。今のは夢だ。もう毎日こんな夢ばっかりみる。全身が恐怖のせいで汗がびしょびしょだ。
――シールを友達から盗まなければよかった。
――石川さんにシールをあげなきゃよかった。
――あんな提案しなければよかった。
*
中学二年生の秋のこと。放課後、誰もいなくなった教室で石川さんが私の席に近づいてきた。
「ヒカリちゃん、今日は何のシールをくれるの?」
「こ、これ……」
お小遣いは全て石川さんに渡すシール代で使い果たしてしまった。だから今日はお母さんに頼み込んで買ってもらったシールをあげた。
毎日石川さんにシールをあげないといけなかった。なぜなら私は石川さんに秘密を握られていたから。
私はシール集めにはまっていた。周りでも流行っていて、シール交換を楽しむ日々だった。だけど、私は、盗んでしまった。半年以上予約待ちの、なかなか手に入らない友達のぷっくリンリンシールを。体育の時間で誰もいなかったから、バレないと思っていたのに。石川さんにバレてしまった。しかも動画を撮られていた。その時から脅される日々を過ごしていた。
「もう、シールあげたくないな……」
「えっ、秘密がバレてもいいの?」
ほら、また脅してきた。そろそろ限界だったから計画を実行してみることにした。
「石川さん。ひとつ、提案があるの」
「何?」
「もしもこれが出来たら、これ全部あげる!」
私は友達から盗んだぷっくリンリンシールを見せた。石川さんは私の提案を受け入れてくれた。
*
あの日提案したことを私は後悔している。
「石川さん自身を刺せたらシールをあげる」と提案して包丁を渡すと、シールが欲しかった石川さんはなんと、自身を刺した。私は石川さんの死に対して、何も知らないふりを続けた。
石川さんはもうこの世にはいない。もう石川さんにシールをあげなくてもいいし、盗んだ時の証拠も消した。だけど、ずっと、提案した日の風景が頭の中で繰り返される。
「私が死んだら、もうシールもらえないの?」と、涙と血を流す石川さん。そして最後に言われた言葉が私の心臓をつらぬいた。
「私、シール買えない環境だったから、みんながうらやましかったんだ……」と。
リアルで目覚める。今のは夢だ。もう毎日こんな夢ばっかりみる。全身が恐怖のせいで汗がびしょびしょだ。
――シールを友達から盗まなければよかった。
――石川さんにシールをあげなきゃよかった。
――あんな提案しなければよかった。
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中学二年生の秋のこと。放課後、誰もいなくなった教室で石川さんが私の席に近づいてきた。
「ヒカリちゃん、今日は何のシールをくれるの?」
「こ、これ……」
お小遣いは全て石川さんに渡すシール代で使い果たしてしまった。だから今日はお母さんに頼み込んで買ってもらったシールをあげた。
毎日石川さんにシールをあげないといけなかった。なぜなら私は石川さんに秘密を握られていたから。
私はシール集めにはまっていた。周りでも流行っていて、シール交換を楽しむ日々だった。だけど、私は、盗んでしまった。半年以上予約待ちの、なかなか手に入らない友達のぷっくリンリンシールを。体育の時間で誰もいなかったから、バレないと思っていたのに。石川さんにバレてしまった。しかも動画を撮られていた。その時から脅される日々を過ごしていた。
「もう、シールあげたくないな……」
「えっ、秘密がバレてもいいの?」
ほら、また脅してきた。そろそろ限界だったから計画を実行してみることにした。
「石川さん。ひとつ、提案があるの」
「何?」
「もしもこれが出来たら、これ全部あげる!」
私は友達から盗んだぷっくリンリンシールを見せた。石川さんは私の提案を受け入れてくれた。
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あの日提案したことを私は後悔している。
「石川さん自身を刺せたらシールをあげる」と提案して包丁を渡すと、シールが欲しかった石川さんはなんと、自身を刺した。私は石川さんの死に対して、何も知らないふりを続けた。
石川さんはもうこの世にはいない。もう石川さんにシールをあげなくてもいいし、盗んだ時の証拠も消した。だけど、ずっと、提案した日の風景が頭の中で繰り返される。
「私が死んだら、もうシールもらえないの?」と、涙と血を流す石川さん。そして最後に言われた言葉が私の心臓をつらぬいた。
「私、シール買えない環境だったから、みんながうらやましかったんだ……」と。



