響け!宝石のカルマート

リズの頰を涙が伝う。レオンハルトはその涙を指で拭った。リズの手がレオンハルトの服を軽く掴む。

「すみません。……ありがとうございました」

「気にしなくていい」

レオンハルトはリズを抱き締める。自分よりずっと小さな体が、レオンハルトの胸を高鳴らせる。ただ、互いの温もりが愛おしかった。



数日後、レオンハルトたちはいつものように事務所で仕事をしていた。リズとカナタは書類を作成し、アントーニョとマーガレットは報告書の作成をしている。オルハンは調査のため出掛けている。レオンハルトは事務所に届いた手紙の整理をしていた。

(この手紙はもう少し保管しておこう。こっちは破棄しても問題なさそうだ)

レオンハルトは壁にかけられた時計を見る。時計の針はもうすぐ十五時を差そうとしていた。レオンハルトは仕事をこなす全員を見て考える。

(このまま依頼人が来なければ、事務所に残っているみんなでお茶の時間にしようか)

その時である。事務所の扉が壊れんばかりの勢いで開いた。全員の目が扉の方に向けられる。一人の女性がそこには立っていた。