響け!宝石のカルマート

炎と煙が消えた。この煙たちは全てレオンハルトが魔法で生み出した幻である。マーガレットが呆れた様子で言った。

「こんなにあっさり解決しちゃうなんて」

「火事が起きると人は本能的に大切なものを守ろうとするからねぇ」

オルハンがバーノンに蔑視の目を向ける。バーノンにとって、この盗作スケッチブックは自身より大切なものだったのだ。

「この指輪も盗作したのか」

メアリーに贈られた婚約指輪のデザイン画も、スケッチブックにあった。レオンハルトはバーノンに訊ねる。

「何故盗作をしたんですか?アルバート・スノーさんの婚約者さんが悲しんでおられましたよ」

「……私は、行き詰まっていた。デザインが「マンネリ化している」と貴族たちに言われ続けて限界だった。そんな時、アルバート・スノーの事故現場に遭遇したんだ。その現場にこのスケッチブックが落ちていて、それで……」

バーノンは力なくその場に崩れ落ちる。調度品に埋め込まれた宝石たちが、どこか虚しく煌めきを放っていた。