響け!宝石のカルマート

「調査の一環とはいえ、私からリズに贈るものだからね。サイズもリズに合わせて作られているし、好きにしていいよ」

リズの顔は真っ青なままだ。オーダーメイド、しかも高級店の指輪。値段は最低でも一般家庭の者が家を買う時のものと同じだろう。

「そんな高価なもの、いただけません……」

リズは消えてしまいそうな声で呟く。レオンハルトがリズに声をかけようとした時だった。

馬車の馬が突然鳴き声を上げた。それと同時に馬車が大きく揺れ、停止する。レオンハルトは窓を開け、「何があった!?」と御者に訊ねた。御者は真っ青な顔で言う。

「も、申し訳ありません。手綱が切れてしまいまして……」

切れた手綱を御者は呆然と見つめている。興奮した馬は街中を暴れるように走り出していた。人の悲鳴が上がる。

「リズ。馬車から絶対に出てはいけないよ!」

レオンハルトはそう言った後、馬車を飛び出す。魔法で体を宙に浮かせ、空から馬の後を追う。馬に杖を向け、レオンハルトは呪文を唱えた。