響け!宝石のカルマート

「どうぞ」

「カナタ、ありがとう」

「……ありがとうございます」

レオンハルトはカナタに笑いかけ、メアリーは俯きがちにお礼を言う。カナタが応接室から出て行った後、レオンハルトはメアリーに訊ねた。

「メアリーさん。どうされましたか?」

メアリーはドレスのスカートを握り締める。そしてゆっくりと話し出した。

「実は、思い出したことが一つあるんです」

「思い出したこと?」

「はい。アルバートはアクセサリーのデザインを思い付いた時、スケッチブックに描いていたんです。そのスケッチブックがないか探したんですけど、家のどこにもなくて……」

「なるほど。スケッチブックにはアルバートさんの名前などは書いてありますか?」

レオンハルトの問いに対し、メアリーは頷いた。もしも、スケッチブックがバーノンの元から見つかれば、バーノンが盗作をしていた証拠になる。

「メグ、オルハン、聞いていたかな?」

レオンハルトは手鏡を取り出す。手鏡にマーガレットとオルハンが映った。二人とも真剣な顔で頷く。