響け!宝石のカルマート

「ありがとうございます。お褒めいただき光栄です。……デザインは、そうですね……。食事を食べていたり、散歩をしていたり、日常のふとした瞬間に浮かんできます」

バーノンはにこやかに言った。しかし、その目はレオンハルトから自然と逸らされる。レオンハルトは直感した。

(嘘を吐いているね)

どこか冷ややかな空気がティールームに流れた。



事務所に戻ってすぐ、リズはドレスからいつものエプロンドレスに着替えを済ませた。着替えたリズは安堵の息を吐く。

「ようやく緊張が解けたような気がします」

「お疲れ様です。これよければ飲んでください」

カナタがリズの前にミルクティーを置く。リズはお礼を言い、ティーカップを口に運んだ。リズの顔に笑みが浮かぶ。

「おいしい……!」

「まあ、貴族として振る舞うって俺ら庶民は緊張するよな〜。貴族の屋敷に行くだけでも震えるぜ」

アントーニョが苦笑しながら言う。彼の頭にはきっと、ビオロンセロでのことが浮かんでいるのだろう。