響け!宝石のカルマート

リズや他の探偵社員を脅かそうとするあの殺意を感じないことに、レオンハルトは安堵していた。レオンハルトはリズに笑いながら声をかける。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

「で、ですが、私なんかがご令嬢だなんて無理があります……」

「リズは立ち振る舞いもおかしくないよ。素敵なお嬢さんだ」

レオンハルトの言葉にリズの頰が赤く染まる。リズは顔を逸らしながら「そうでしょうか?」と呟くように言った。

馬車は道を迷うことなく進んでいき、バーノンの宝石店に到着する。この辺りは貴族向けの高級店が数多くあることで有名だ。

「ここにマーガレットさんとオルハンさんが……」

馬車の前にある立派な店をリズは見上げ、息を吐く。これからこの場所に潜入するのだ。スカート部分をまたリズは握り締めている。

レオンハルトが馬車から降りた時だった。御者が話しかけてくる。

「レオンハルト様。ルートヴィッヒ様よりご伝言です」

「兄さんから?何だい?」