響け!宝石のカルマート

レオンハルトの言葉に、アントーニョが苦笑しながら「レオンは本物の貴族だろ」と突っ込む。カナタもクスクス笑いつつ、リズを見つめた。

「リズさん。とっても綺麗です!」

「カナタさん。ありがとう」

馬車の扉を開け、レオンハルトとリズは中へと乗り込む。この馬車は、レオンハルトが兄のルートヴィッヒ・ジッキンゲンに頼み実家から借りたものである。

これからレオンハルトは、貴族のご令嬢にプレゼントを贈るという名目でバーノンの店に潜入する。リズはどこか緊張した様子だ。

「行って来る。何かあれば連絡してくれ」

「い、行って来ます!」

レオンハルトとリズに対し、アントーニョとカナタは手を振る。

「おう!行ってこい!」

「留守は任せてください!」

馬車が動き出す。リズは緊張した様子で窓の外を見ていた。豪華絢爛な馬車を道行く多くの人が見つめている。どこの貴族の馬車か、誰が乗っているのか、そんな好奇心に満ちた視線をレオンハルトは感じた。

(今のところ、殺意は感じないな)