響け!宝石のカルマート

お茶やコーヒー、そしてお茶菓子はデパートの地下にある専門店でしか手に入れることができない。レオンハルトとリズはエスカレーターへと向かう。

「リズ」

レオンハルトが先にエスカレーターに乗り、リズに手を差し出す。リズは少し恥ずかしそうにしながらもその手を取った。互いの手の温もりが伝わる。

(このままずっと触れていられたら……)

そうレオンハルトが思った時だった。冷たく鋭い視線を感じ、レオンハルトの表情が一瞬にして変わる。空気が変わった。賑やかな声が遠ざかっていく。

「リズ!」

レオンハルトはリズの手を掴み、自分の方へと引き寄せる。リズは戸惑った様子だった。

「レオンハルトさん?」

その時である。天井に取り付けられている蛍光灯が大きな音を立てて外れた。蛍光灯はそのままレオンハルトとリズの頭上へと落ちてくる。

「ッ!」

リズが息を呑み、手を強く握り締めて目を閉じた。レオンハルトは素早く杖を頭上に向け、呪文を唱える。

「シルト!」