響け!宝石のカルマート

「私も一緒に行こう」

「えっ?いいんですか?」

リズが目を見開く。レオンハルトは微笑んだ。

「最近物騒だからね。昼間でも用心するに越したことはない。トーニョ、事務所を頼むよ」

レオンハルトはジャケットを羽織り、アントーニョに言う。アントーニョは顔を上げ、「おう!任せろ!」と親指を立てた。

「リズ。行こうか」

「ありがとうございます」

レオンハルトとリズは事務所を出る。道には人が多く行き交い、賑やかだ。遠くからピアノの演奏が聞こえてくる。

「綺麗な音色ですね」

リズがピアノの音に目を細める。繊細な美しさを持った旋律にレオンハルトも頷いた。

「すごく素敵な演奏だね」

「どんな人が演奏しているんでしょうか?」

「そうだね……。もしかしたら、有名ピアニストがこっそり弾いているのかもしれないね」

他愛もない話をしながら二人は歩く。賑やかなデパートへとやって来た。切れてしまった紅茶やコーヒー、そしてお茶菓子を買うのが目的だ。