心にいつも、君がいる



「意外。結構足速いんだ?」
「舐めないでもらえますー?これでも50m走8秒後半でーす」
「へぇ。意外ー。運動音痴だと思ってたー。すごいすごいー」
「全部棒読みで言われても舐められてる気しかしませーん」

棒読みで、しかも用意された台詞のように言われてもねぇ…。

「あっ」
「何だよ」
「めっちゃいいの撮れた!これにする‼︎」

青空と、きらきら輝き反射する海の写真を見せると、感嘆の声が返ってくる。

「いいじゃん。もうお前、写真部にしたら?」
「なんでっ。碧はどう?」
「うーん、まあこれでいいか…」
「なにその求めていた写真は撮れなかったけどまあまあな写真が撮れたから仕方なく選ぶみたいな言い方」
「へー、よく分かってんね」
「どれどれ…えっ、なにこれめっちゃいいじゃん‼︎」

碧が撮った写真を見て、目が何倍も大きくなった。それくらい、圧巻だった。
吸い込まれそうなほど青い空が、海に映り込んでいる。見ているだけで吸い込まれそうな、圧巻の写真。


「………、君もう写真部入りなよ」
「嫌だ。人間が多い部活だ」
「理由が…」

本当に彼は人間嫌いなんだ…。
本当に私と居てくれる理由がよくわからない。


ミステリアスで謎の多い、同じ部活の男子。

今の碧への印象は、それが一番しっくりくるものだった。