君への想いは、愛だった


碧が海に飛び込もうとした私を助けてくれた、その後。
碧はこの後にある予定の場所へ行こうとした時、魂が抜けたような顔で全力疾走している私を見つけて様子がおかしいことに気付いて、追いかけてきたそうだ。

もう予定には間に合わないと思うから、すごく申し訳ない。

そして、両親は急に家を飛び出して行った私を心配してパニックになり、あたりで私の名を叫んでいたそうで、びしょ濡れになった私と碧の姿を見て何かを察したのか、碧にひたすら頭を下げて、私をお風呂に入らせた。
凄く怒られることも覚悟していたけれど、何も言われずにほっとしていた。

碧とは、助けてもらったお礼を言ったきり、一度もメッセージのやり取りはしていない。

予定の途中で通知が来たりするのは、嫌だと思うから…、私が一度も送っていなかったのだ。

でも本音は、碧の声も、言葉も聞きたかった。

◼︎◼︎ ◼︎◼︎

いよいよ明日……20日が……、自由を失う日。

ゴールデンウィーク中なので、この3日間ほど、ずっと学校に行かずにだらだらしている。
せっかくだし、親と遊びに行こうかと思ったら、両親揃って用事があるそうだ。
私が閉じ込められると知った後、両親は目に見えて忙しそうになった。
手続きなどなどに追われて、いつもどたばたしていた。
だから、仕方がないと思っている。

最後の日くらい、葵に会いたかったなぁ……。
暇なのでスマホを開くも、もちろん友達などもいない私は、メッセージなど一つも来ていない。

「あ、そうだ。新聞とろっと……」

スマホを置いて立ち上がり、ポストから新聞を取り出して、ついでに新聞を開いた。


——瞬間、雷に打たれたように全身がぶるぶると痺れた。



「嘘」

部長のことを知らせた、因縁の新聞のトップの記事に……、目を疑うような内容が書かれていた。



『AIも恋をするのだろうか。また佐原学園のAI高校生を招集!そして、彼・清水碧は同級生のAIの女子を助けるために自分を犠牲にすると発言』


え……っ。

碧……?

同級生のAIの女子って……、私くらいしか思い浮かばない……。

どういうこと……?詳しく知るために、新聞を読み進める。

『彼は大切な存在の彼女の自由を奪われるのが嫌で、自分が犠牲になることで彼女を閉じ込めるのを辞めて欲しいと懇願した』

嘘……、私のため……?
私の自由なんて、そんなの放っておいていいのに……。というか、犠牲ってどういうこと?碧はどうなるの……っ⁉︎

『政府の人々は、沢山話し合い、彼女を閉じ込めない代わりに20日に彼を壊すことでその提案を受け入れた』

「壊す……?」

AIを壊すだなんて……、人間的には死んだも同然なんじゃ……。新聞を持つ手が小刻みに震えてしまった。

壊すも色々な種類があると思う。
形としては残しておくものの、もう二度と機能しないようにするか、一つ一つの破片になるまでばらばらにするか……、どれにしろもう二度と……、政府が方針を転換してももう二度と碧に会えないってことなのだろう。