「千瀬っ」
「あ、碧……」
話の内容、聞こえてたかな……。
碧は見たこともない勢いで私の所まで来ると、不良集団から私を引き剥がした。
「この人に何か」
「へー、お友達?君も本当のこと隠してんだ?」
話を中断されたことに怒るわけでもなく、ただ興味深そうに碧のことを見ている金髪集団。
「あ、君もペンダントつけてるんだ?」
「え……?」
君も、ってことは……、私と同じもの?
そうなの……?
そういえば……、碧の首元で、一度チェーンが見えた気がする……。
あれは、ペンダントだったってこと?
私はただ碧に引っ張られるがまま歩いて行った。
後ろを振り向くと、不良集団は私たちに笑顔で手を振っていた。
◼︎◼︎ ◼︎ ◼︎
狭い路地裏にまで引きずりこまれた。
「だ、大丈夫なの?また絡まれたりしそう……」
さっきの人たちはいい人だったけど、不良全員がいい人だって保証は無い。
「……大丈夫でしょ。俺たちに関わってくる奴らなんていない」
その自信はどこからやって来るのだろうか。
「……ねえ、碧。親が……、私に隠したいことって、なんなの?このペンダントが私の首を絞めるってどう言うこと?これはお母さんがくれた非売品のものなのに、なんであの人たちが知ってるの?」
聞きたいことを一気に尋ねた。
碧は何も答えない。
「……私、隠してることがあったら、教えて欲しい」
切実な思いを打ち明けると、碧が意を決したように顔を上げた。
「……そのペンダント……、俺も持ってるんだ」
ようやく話し始めた碧。
「そうらしいね」
「そのペンダントをつけてるのは……」
一息碧が深呼吸をして、続けた。
「—— AIだけ、なんだ」
呼吸が、止まる。
世界が、止まる。
「……え?」
AI?
ペンダントをつけてる…、私たちが……?
「何、それ……。私も、AIだってこと……?」
こくりと頷いた碧は、完全に真実を受け入れている目をしていた。
信じられない。
受け入れられない。
私はAIとは違うと思っていた。
人工的に作られた物なんかじゃないって……。
今まで感じた感情が、どんどん色褪せていく気がした。
私のこの感情もプログラムされたもので……。じゃあ、プログラムされてない人間が感じている感情って、どんな感じなんだろう。
くらりと眩暈がした。私の脳が受け入れることを拒んでいる。
でも、でも。私が、運動神経はあまり悪くない方だと思っていたこと。頭もまあまあなこと、見た目で困ったことはないこと、全部の教科が半分以上取れていること。それは……、人工的に作られた、“AI”だから、ってこと……?
自分が作ったものくらい、不自由せずに生きていられるように、って……私を作った人が、思ったからってこと…?
そう考えると、全てに納得がいってしまう。
それから、碧はいろんな話をしてくれた。



