檻の中、蝶は愛に溺れる。

――ここは大国の(なずな)

その中心で富と権勢を貪り、花の都と謳われる国(すずな)には、陽の当たる場所と、決して光の届かぬ場所がある。

名家や財閥が雅な香に包まれるその裏で、少女は冷たい檻の中にいた。

白雪蝶花(しらゆきちよな)

これが私の名前。貴族である白雪家に、次女として生まれた。

でも、白雪家の娘であって私は無能。

そして、右目の瞳の形は蝶で、紫がかった青い目に白い髪。

代々黒髪が受け継がれている白雪家にとって、私は恥となってしまった。

私は家族簿から消え、血筋を次ぐものとして記載されていない。

実際のところ、ただの居候だ。

たった一人で、家の地下の豪華な部屋で暮らしてる。

部屋から出ることは許されない。

戸には南京錠がかけられていて、部屋から何回か出ようとしたけど、駄目だった。

出入りするのはたった1人の使用人、四葉(ヨツバ)